3DCADの導入前後の問題とは

3DCAD選定

最終更新日 2023年9月22日

機械設計を行う場合、3DCADを導入する時の問題とは何でしょうか。一度考えてみたいと思います。

3DCADは2DCADとは違う点が多々あります。2DCADなら全ての設計者の設計操作が違っていても最後の完成ではほぼ同じになるので、問題がありません。しかし、3DCADですと途中経過の操作が違うと設計変更が伴った時にいろいろと支障が出てきてしまいます。ですので、3DCADは途中経過がとても重要となってきます。

3DCADを導入する前の問題点

各企業がいろいろな3DCADを発売しているなか、まずはどの3DCADを導入するか迷う所です。ここで希望するソフト内容がミスマッチングになってしまうと、値段が高くついてしまったり、操作がうまくいかなかったりなど後悔をしてしまう事になってしまいます。

では後悔しないためにはどうしたら良いのでしょうか。これはやはり試してみるしかないかと思います。しかし、すぐに何十万円、何百万円を支払うにはハードルが高いです。ですので、無料のトライ版を試すのが良いかと思います。機械設計で使用する各メーカーのCADソフトには無料期限を設けて無料で試す事ができるようになっています。期間は限られていますが一度操作をしてみて、自分にあうかチェックできるのはありがたいことです。ここで注意したいのが、3DCADを使用する予定のワークステーションでトライをする事です。3DCADのソフトウェアは基本的にOSが適合すればインストールが出来てしまうので、事務用パソコンでも試す事が出来てしまいます。しかし、実際に機械を設計する時にうまく動くかチェックをする事が必要なので、使用するワークステーションでトライする事をお勧めします。

機械設計

3DCADを導入する後の問題点

ではトライをしてみて3DCADが問題なく動くようになって、3DCADソフトを購入した後で注意する点とは何でしょうか。無料の試用期限で全ての操作チェックをする事は、ほぼ無理だと思います。ですので、購入したあとで思った以上に苦戦を強いられる事も少なくありません。

操作は機械設計をしていく上で慣れるしかありませんが、グループで設計する場合は明確なルールを定める必要が大切かと思われます。ルールを設定しとかないと修正時の工数がものすごくかかってします事もあります。さらに修正部分がどのようになっていたのかも不明、最新データの保存場所が分からなくなる、流用データがどこにあるのか不明などさまざまな問題が出て来ます。

ではルールを設けるとしてもどのように設けるのか、を考えていきたいと思います。まずはデータの保存場所が重要になるかと思います。機械設計では親ファイル名、子ファイル名をしっかりとどこに置くのか。そしてファイル名、図面名を一致させるなどのルールを明確させる事が重要となります。そうすることにより、機械設計で使用した検索でファイルを見つけ出す事も可能になるので、時間を短縮させることができます。

機械設計でのモデリング時のルール設定も大切です。モデリング順序などを決めておくことにより、モデリングの修正時に簡単に修正する事ができるようになります。

スタッフのスキル問題

3DCADのソフトウェアも変われば操作方法が全て変わってきます。専門学校や大学、前職の職場でもその時に触れた3DCADソフトウェアに慣れていますので、転職先で新天地に渡った時に違うCADソフトウェアを使用していると、再度慣れる必要があります。

操作が似ていたり、制作順序が同じであれば慣れるのに時間はかからないかと思います。しかし、全く違う操作方法のCADソフトですと、慣れるまでにかなりの時間がかかってしまいます。

では会社全体で同じCADソフトを使用するのではなく、個々で慣れたCADソフトを提供すれば解決するかと言うと、後々弊害が出て来ます。CADソフトが違うとやはり、ファイル形式が違うので、途中で仕事を手伝ったり、共同で制作する時などうまくできなくなってしまいます。

ですので、時間がかかっても同じCADソフトを習得できるようにした方が良いのかもしれません。

使用する中間ファイル形式

3DCADを使用し始めると、モーター、シリンダーなどの製品データを、ダウンロードして使用する事があります。生データがあれば問題ありませんが、STEPなど中間ファイルでダウンロードする場合、どの種類を使用するのかを決定しておいた方が良いかと思われます。