3DCADでの干渉チェックは使い物になるのか?

干渉チェック

最終更新日 2023年9月25日

3DCADの強みで言われているのが、物と物がぶつかる干渉チェック機能があります。コンピュータ上で制作をしていると、機械設計上、物と物が重なっていてもコンピュータ上では何も問題はないが、現実の世界で組み立てていくと、物と物が干渉してしまい組み立てれなくなるのを未然に防ぐ事を目的としています。

では本当に使い物になるのか確認してみましょう。

2DCADには干渉チェック機能がないの?

残念ながら2DCADには干渉チェック機能は搭載されていません。なぜならば3D立体で組み立てて干渉部分を探しだす方法をとっているので、2DCADでは奥行がないので干渉部分を見つける事ができません。今までは2DCADの場合は頭の中で立体的なイメージをして、干渉部分がないか検討していました。

その方法ではやはり思わぬ干渉部分が出てきてしまい、手直しをする事が多々ありました。なので、機械設計を行う場合は3DCADで干渉チェック機能ができた事は革新的な事なのかもしれません。

3DCADで使用ができる干渉チェック機能とは?

3DCADのソフトウェアにもよりますが、パーツとパーツが重なっている部分があればその部分を洗い出して、リストとして出してくれます。そのリストを確認する事により干渉チェックを行う事が可能となります。

さらに稼働域で動かした場合の干渉チェックも行えるので便利だと思います。機械設計の高性能3DCADソフトになると逆ネジなども検知してくれるみたいです。

機械設計 干渉

干渉チェック機能で大変な事は?

3DCADの干渉チェックを行う点でモデリング、アッセンブリなどを忠実に再現する必要があります。ボルトを省略しがちですが、詳細な干渉チェックを行うには忠実に設計する必要が出て来ます。なので、設計時間がかかるデメリットもあります。

そして大きな機械のアッセンブリになるとコンピュータに負担がかかってきます。多くのパーツ点数があると1つ1つ干渉チェックをするため時間がかかります。あまり大きな物を干渉チェックする場合は、分割して干渉チェックをする事も必要かと思われます。

結果干渉チェック機能は必要?

干渉チェック機能はかなり便利なので、ついている場合は積極的に使用する事をお勧めします。いくら頭の中で検討してもやはり予期せぬ事が多くあるかと思います。ですので機械設計上、ソフトウェアの力を借りて検証する事ができるのなら、使用した方が良いかと思います。

Alibre Desginには干渉チェックは付いているのか?

当社で使用している3DCAD「Alibre Desgin」には干渉チェック機能が搭載されています。干渉している部分はカラーで表示されたり、ワイヤーフレームに切り替え見やすくする事も可能です。ただアッセンブリでのパーツ部品点数が多いと、干渉解析するまでに多大な時間を要する事があります。

部品点数が多い場合はアッセンブリ単位で干渉分析を行うか、ユーザー指定グループにてグループ単位にて選定をし、機械設計の干渉分析を行うと大幅に時間が節約できるかと思われます。

結果、組み立ててる時に干渉を見つけたり、試運転の時に可動域が干渉したりなどのトラブルを減らす事が可能です。デメリットとしては、やはり詳細にデータを記載しないといけない部分かと思われます。しかし、それ以上に細かくチェックができ、デメリット以上にメリットが多いかと思われます。

3DCADで計算できない干渉とは

3DCADで干渉を設計上で確認はある程度できる事はわかりました。しかし、設計上で確認できないこともあります。それはなにかと言うと、組付け工具のスペースや、手や腕、体が入るスペースがあるかと言う事です。

設計が終わったとしても、組付け作業ができなければ先に進む事はできません。作業ができなければ、設計まで作業を戻して再度検討しなくてはなりません。作業時間を節約するためにも事前確認が大事となります。

さらに機械部品加工時にも干渉があります。内径切削干渉など、ドリルの方向に何かしらの干渉が出てしまう事です。これは3DCADでは防ぐ事が難しいので、部品加工の段取りなどをしっかりとシュミレーションをして、干渉がおこならいように対策が必要です。

>>(続き)干渉を分析する最適なワークステーションとは?